先日、とある会社さんで新たに収益改善プログラムをスタートしました。
この会社さんは、社員3人+パート1人の製造業で社長が製造現場と営業を担当しています。
下請けだけど、専任担当制による高い技術力で短納期を実現するなど独自の強みを持っています。
ただ、数年前から慢性的な赤字が続き、ついには債務超過に……。そんな状態が何年も続いているときにコロナが直撃し、なんと売上が4割も減少しました。
今回の記事では、そんな会社さんの収益改善をサポートした事例についてお話しします。
今回の相談事例
今回の会社さんは、「ここ2年間はコロナ融資や補助金でなんとかやってきて、銀行にもリスケ(※)をお願いしましたが、そのタイムリミットもそろそろ切れる」という状況でした。
一定期間元本の返済をストップして利息のみ支払うこと
顧問税理士は毎月試算表を作ってくれ、お願いしたことにはすぐ対応してくれる良心的な税理士さんでした。
しかし、その税理士さんに相談しても決まって返ってくるのは「売上を上げるしかないよね」という答えだけ。
そんなことは自分でも分かってる。
簡単に売上が上がらないから悩んでいるのに……。
これからどうしよう……。
そんな状態でした。
財務分析の結果、勘違いしていた課題とは?
まずは、財務分析をして分かったことは、他社と比較し利益率は高く、独自の価値を活かせている点でした。
しかし、従業員数に対して利益額が少なすぎたのです。これを解消する方法は以下の2つしかありません。
- 売上を上げて利益額を高める
- 従業員数を減らす
このうち、コントロールできるのは②の「従業員数を減らす」ことです。
しかし専任担当制なので、1人でも欠けたら製品が作れません。社長もそのうちの1人で、社長しかできない工程があるんですね。それが以下の状態を生んでいました。
社長がいないと生産がストップする
↓
短納期対応のため社長が製造現場に入る
↓
営業する時間がない
↓
お客さんの潜在ニーズを聞くひまがない
↓
顧客要望の付加価値の高い製品開発に繋げられない
↓
売上の拡大ができない
上記のような悪循環が何年も続いていました。慢性的な赤字体質をつくった正体は、実は売上ではなく製造現場に問題があったんです。
このことに気づかず、がむしゃらに営業をして一瞬売上が回復したとしても、継続できないから結局は元に戻るだけです。
売上が少ないのは、あくまで「結果」であって「原因」ではなかったんですね。
そのため、売上ばかりにフォーカスしても根本解決に繋がっていなかったのです。
課題の見直し方
財務分析により課題が明確になれば、あとは改善していくのみです。
今回のケースでは、見直す項目は以下のとおりでした。
上記をもとに生産現場から見直すことで、以下のような好循環が生まれます。
社長の時間が生まれる
↓
お客様の声を集める
↓
その声を活かした他にはない製品やサービスを提供
↓
単価アップに繋げる
もちろん、生産現場以外の課題も同時に改善していくため、決して容易な道ではありません。
しかし、強い会社になると覚悟を決めた社長に応えるため、私も全力でサポートします!
9割が勘違いしている課題の真実まとめ
貴社でも課題だと思っていることは、実は「原因」ではなく「結果」かもしれません。
自分の思い通りにならないときは、「なんで?なんで?なんで?」と順番に問いかけていくと、根本的な原因を突き止めることができます。
困ったときは、問いを深めてみてくださいね!