利回り20%の金融商品!?小規模企業共済とiDeCoを比較

確定申告の時期になると毎年出てくるこの悩み…

また税金か…。こんなに払わないといけないのなら、もっとちゃんと節税対策を考えておくんだった…

少しでも税金を安くしようとネットで調べていくと、「小規模企業共済とiDeCo、どっちで節税するのがいい?」そんな迷いにぶつかる方も多いと思います。

本記事では「小規模企業共済」と「iDeCo」この違いを5つの視点で比較してみますね。

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今の選択が自分の目的と合っているのか、ぜひチェックしてみてください。

小規模企業共済とiDeCoを5つの視点で比較

① いくら増えるのか?

小規模企業共済とiDeCoの運用利率は以下のとおりです。

この運用利率で毎月3万円を積立した場合を比較します。

例えば、40歳~60歳まで20年間積み立てると、積み立て総額の720万円はこのようになります。

  • 小規模企業共済:約792万円
  • iDeCo約1,075万円

iDeCoの平均利回りはもちろん変動しますが、20年間で小規模企業共済の約1.35倍になるんですね。

② いくら節税できるのか?

節税できる金額は、小規模企業共済もiDeCoも同じ金額になります。

そこで、「一体いくら節税できるのか?」に着目してみます。


前提として、「売上-経費=350万円の個人事業主」もしくは「役員報酬500万円の会社役員」と仮定します。
※所得控除は、社会保険料控除と基礎控除のみ。

節税できる金額は以下のとおりです。

通常の所得税と住民税

所得税:約138,000円(復興特別所得税を含む)

住民税:約240,000円

年間合計:378,000円


毎月3万円を小規模企業共済やiDeCoで積み立てた場合

所得税:約101,000円(復興特別所得税を含む)

住民税:約204,000円

年間合計:305,000円

上記を比べると、節税できる金額は所得税と住民税を合わせて年間73,000円(378,000円ー305,000円)になります。

年間36万円(毎月3万円)を投資して、リターン(節税金額)が7.3万円ということは、利回り約20%の金融商品ということですね。

③ 途中で解約できるのか?

小規模企業共済とiDeCoの任意解約については、以下のとおりです。

  • 小規模企業共済:いつでも解約可能
  • iDeCo:原則60歳まで解約不可

小規模企業共済はいつでも解約できるので、もしもの時を考えると使い勝手がよさそうですね。

しかし、こちらの表のとおり20年未満の解約だと元本割れするので注意が必要です。

※引用元:小規模企業共済制度「加入者のしおり及び約款」P16

④ 積立を止められるのか?

もし積み立てることが難しくなったとき、途中で積立停止できるかどうかは、以下のとおりです。

  • 小規模企業共済:原則停止不可
  • iDeCo:いつでも停止可能

iDeCoは中途解約はできないですが、積立を停止することは可能なんですね。
「運用指図者」といって、積み立てを止めて貯まった資金を運用だけする人に変更することができます。

手続きも簡単で加入先の金融機関から「加入者資格喪失届」を取り寄せ、提出するだけです。


一方、小規模企業共済は原則では積立停止できないですが、一定の条件に該当した場合は、6ヶ月または12ヶ月の間だけ積み立てを止めることができます。

[積立停止できる条件]
1.所得がなくなった
2.災害にあった
3.入院した
※参考::小規模企業共済制度「加入者のしおり及び約款」P5 掛金の掛止め

そう簡単に積立を止めることは難しそうですね(^^;)

ちなみに、積立額を月額1,000円にまで減らすことはいつでも可能です。

⑤ 途中で引き出せるのか?

積立定期のように途中で引き出せるのかについては、以下のとおりです。

  • 小規模企業共済:引き出し可能
  • iDeCo:引き出し不可

小規模企業共済は、貸付制度により簡単に早くお金を引き出す事ができます。

ただし、あくまで「貸付」なので、以下の条件があります。

1.いつから借りられる?

積み立て開始から1年以上経過した人(掛金納付月数が12ヶ月以上経過)

2.いくら借りられる?

積立合計額(納付済掛金の合計額)の70%~90%

10万円~2,000万円の範囲内(5万円単位)

3.金利はいくら?(令和6年8月1日現在)

一般貸付:年利1.5%(誰でも利用可能)

特別貸付:年利0.9%(特別な事情がある時)

4.何年で返済すればいい? 

借入期間6ヶ月・1年の場合:[期限一括返済]

借入期間2年・3年・5年の場合:[半年ごとの返済]

※借入期間は、借入額により6ヶ月・1年・2年・3年・5年から選択

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ちなみに、[期限一括返済]で期限が到来しても返済できない時は、『同額借換』や『増額借換』をすることで、借入金を返済せずに借り続けることができますよ(金利のみ支払い)

まとめ

小規模企業共済とiDeCoを5つの視点で比較しましたが、いかがでしたでしょうか。

もしもの資金繰りに備えるなら「小規模企業共済」

老後資金としてお金を増やしたいなら「iDeCo」

どちらかを選択するのも、両方を併用するのも、どっちにしても貯金しながら節税できるのが、小規模企業共済とiDeCoです。


ただし気をつけて欲しいのが、積み立てしすぎること!
節税できるからってむやみに掛金を増やして、足元の運転資金が少なくなってしまったら元も子もありませんからね。

ぜひ、今も未来もお金が残るような賢い節税策を選んでくださいね^ ^